電子無料版で精神科編9~13巻を一気読み。まずは登場人物のみで統合失調症患者が皆そうであると決めつけないことが必要。 池田小事件後2年での医療観察法が成立がこの巻のベース。この事件は後に精神障害とは関係ないことが判明している。やまゆり園の事件も容疑者が措置入院していたことがクローズアップされ精神保健福祉法改正の流れになったのは精神障害者に対する社会の考え方が当時と変わっていないということ。 親にも患者本人にも精神障害者に対する差別感情があるところや親の葛藤~子の病気を受容する部分まで描いていることも実は重要と思う。読了日:2017年7月12日★★★☆☆ |
高森信子氏著「家族が知りたい統合失調症への対応Q&A」や「統合失調症の人の回復力を高める家族のコミュニケーション」(NHK厚生文化事業団制作・DVD)の内容がかの中村ユキさんでマンガになった本。よって、既知のエピソードが多数登場したが、マンガもまたよかった。わかりやすい。高森氏の著書を読んで少し心がけて見たら兄がよく話をしてくれるようになった経験アリ。あの頃の両親にこういう本があったら、もう少し兄も救われたかもしれないといつも思う。統合失調症の人との接し方に悩む家族(特に親)に読んで欲しい。実践すべし!読了日:2016年11月8日★★★★☆ |
東京帝国大学医学部精神病学教室で明治43年から大正5年までに精神病者私宅監置の状況を実地視察させた記録の現代語訳。写真・図多数。どんどん読めた。視察者が実際に各地を訪れて記録した当時の情報は生々しい。東日本が多いのになぜか広島が西日本で唯一調査地になっていて「?」→調査員が公費で郷里の広島に帰ったという解説あり(笑)こういうことも含め今に通じることが多かった。精神病者救済・保護のため緊急に必要な事項のひとつに呉は「一般人に精神病に関する知識の普及をはかること。」を挙げている。今に通じ過ぎるわ、ほんま。読了日:2016年11月4日★★★★★ |
表紙を見て「アレ?」めくって「おー♪」。裏表紙の写真もイイ(^^)前作の『統合失調症がやってきた』は加賀谷さん目線が主で、今回は松本さんが主ではある。加賀谷さんが休んでいる間のことや自分の家族のこと、自分自身の心についても触れている。けど、今回はそれ以上に【これぞ統合失調症からの回復】だなと強く感じた。復活からの数年、休む前の松本ハウスと比較してもがくふたり。統合失調症という病気(の状態を「B」とする)、病気になる前(A)と同じには戻らないのが多くのケース(もちろんそうでない人もいます)。A→B→Aにはならない。それを受け入れて「C」という人生に納得した時に初めて、回復への一歩を踏み出せるのだろう。復活ライブから始まった苦難の道のりと、病気になる前の松本ハウスという【憑き物】が落ちた松本ハウスになって行く過程を読むことで、この病気の難しさが多少なりとも理解できるのではないかと思う。松本さんのナチュラルな接し方は見習いたいし、この本の内容はもちろん去年実際に講演会に参加して感心することしきり。でも・・・やっぱり加賀谷さんの方がすごい。寛解とはいえこの病気を抱えて芸人するって本当にすごい。これからも応援!松本ハウス♪読了日:2016年6月27日★★★★★ |
父購入本。何を今さら感が否めない。そして斜め読みするだけで、本の内容を実践するわけではない。父87歳、統合失調症兄53歳・・・発症した頃は父50歳くらいかな。この本に書いてあるような対応はまったくできていなかった。こういうことを模索する様子もなかった。そして36年過ぎた。兄は社会とのつながりを持てないまま一生を終わるのであろうか?今まさに急性期の統合失調症患者を抱えるご家族に言いたい。ぜひ、このような本を読んで実践して欲しいと。家族の対応で変わるところは絶対にあると。最近の私の実感です。読了日:2015年9月3日★★★★☆ |
洛北岩倉と精神医療 | 現代地域精神医療で教訓とすべき書。昔、精神障害者を民家(及び保養所)で預かり共に暮らしていた洛北岩倉。家族的看護がなぜ可能だったか?一つに精神障害者に対する【地域住民の慣れ】が挙げられている。社会的入院→出てこない→人々が慣れない→益々出られない今の日本。大正時代の患者の家族「入院は『病院に入ってる』と周りに言われるが、保養所なら『保養に行っている』と言える」の言葉が印象的。長兄が結婚する頃、統合失調症次兄が留年浪人を経てなんとか大学に入った。嫁家族に「大学生」と言えたからよかったと言った母を思い出すw読了日:2015年8月28日★★★★★ |
精神障害のきょうだいがいます | います、ハイ(^^) 2015年9月に初めて兄弟姉妹全国交流会に参加するのを機に購入、精神疾患の兄弟姉妹をもつ方々の手記。精神障害だけでなく、身体障害でも知的障害でも、親とは違う立場や思いが兄弟姉妹にはある。さまざまなケースがあった。身につまされること、うちとは違うな・・ということいろいろあった。ある方の手記で父親が「俺が死ぬときに一緒につれていくから」と言ったというくだりがあった。うちの母も言ったなぁ(つれていかなかったけど)。でも、それは兄弟姉妹にはツライ言葉だ。それを願うことなんて、やっぱりできないからね。読了日:2015年7月6日★★★★★ |
前作に続き読了。今作では「ドロドロとした闇の部分」に焦点を当てたそうだが、そうでもなかったような。永山則夫氏と自分とを比較した記述が多かったし、法律や精神科病院の実態にも触れているのだが、なぜかボヤけて見える。著者がやはり自分に焦点を当てているからだと思った。(永山氏は刑を執行されているのに終始呼び捨てなのはなぜ?)私も病者の家族だが、あまり響かなかった。家族であってもなかなか理解しがたい行動にも、本人にはちゃんとした理由があることを教えてくれたのは横田泉氏著「統合失調症の回復とはどういうことか」だった。読了日:2014年12月1日★★☆☆☆ |
心病む母が遺してくれたもの | 精神科医となった著者が母を受け入れる話かと思って読み始めたが、そうか、著者の「回復への道のり」の話だったのね。著者が10歳の時、母親が統合失調症を発症。先日読了した「永山則夫」と同様、幼少期の環境が大人になっても影響し、著者自身が精神的にかなり追い詰められボロボロに。「それでも私は回復できた、あなたにもできる」がこの本の主題。著者は母親に対してはあくまでも娘であり、精神科医ではなかったと思う。まず【統合失調症そのもの】を理解したいのであれば、この本にも出てくる中村ユキ氏の著書がイイと思う。読了日:2014年11月27日★★★☆☆ |
世界一やさしい精神科の本 | 「14歳の世渡り術」シリーズとして出版された本の文庫化なので、語り口が10代の若者向けだが、そこがかえって読みやすくて個人的にはよかった。内容も、例えば、統合失調症の【陰性症状】である「感情鈍麻」→「生き生きとした感情がわかない」【地味な症状】というように噛み砕いた表現になっている。うつ病、統合失調症の他、発達障害、ひきこもり、社交性不安障害、PTSD、人格障害等、広く浅く知識を得ることができる。学級崩壊云々、『メンタル』で退職といった話もよく聞くようになったし、大人にもこの程度の知識は必要かも・・・読了日:2014年10月31日★★★☆☆ |
統合失調症がやってきた | 正直、「松本ハウス」という漫才コンビを知らなかった。彼らが出ていた頃、TVほとんど見ていなかった。兄が35年来の統合失調症なので、加賀谷さんやご両親の辛さ、少しならわかる。細かいが、松本さんが書いた「事務所でのお手伝い」シーンもよくわかる。独特なトコロ。私の兄はず~っと止まっている。発症のきっかけとなったかは不明だが、本人にとっては屈辱的だった高校生時代で。加賀谷さんはすごい。前進しているから。そういう患者さんもいるんやね。がんばって欲しい。お二人のがんばりで、この病気の理解者が増えることに感謝である。読了日:2013年10月1日★★★★☆ |
精神病棟40年 | 先日読んだ「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか」の原発直下の某病院と、著者が三ヶ所目に入院し、40年という時を過ごしたG病院は同一だろう。断定はできないが共通点多し。とすると、原発事故後奔走した院長とG病院の院長って本当に同じ人?と考え込んでしまう。当初数十床だったG病院が患者数百名を抱える大病院になったワケ、状態がよくなっても退院のチャンスを与えられない患者・・様々な実態が記されている。生活保護受給者を標的としたビジネスを思い出した。この本を全部信じてよいかはわからない。でも、あるんだろうなぁと思った。読了日:2013年3月25日★★★☆☆ |
統合失調症は思春期~20代で発症することが多く、その親向け?入門書をよく見る。この本は病棟医である著者が、専門雑誌へ掲載等していた7項目をまとめたものなので、現場の医療者向けと思う。内容も長期間入院しているような慢性統合失調症者に関するもの。そして、そのような患者の家族に強くおススメしたい!私の兄も慢性トーシツ。目からウロコな内容多数。理解できないと思い込んでいる行動にも意味があるのだ。著者の「私が魅了されてやまない統合失調症の力と輝きと美しさとを再確認していきたい。」という言葉がなんとウレシイことか。読了日:2013年2月23日★★★★★ |
統合失調症に負けない家族のコツ | ボリュームが少なく手軽に読める。【読む家族教室】だけあって、患者の家族とのやりとりも載っている。 統合失調症から回復し、社会参加できるようになるには、患者を中心とした星座関係(患者が信頼できる家族、医師、スタッフ等)が必要、また、家族による【無条件の愛】に裏打ちされた、患者の立場に立った病気の理解が大切とある。自分だけで抱えている親御さんに、できるだけ早くチームワークにより回復を目指す必要性に(こういう本を読んで)気づいて欲しい。通院と薬だけでなんとなく過ごしていてはダメ。親は先に死ぬのだから。読了日:2013年2月10日★★★☆☆ |